「登録支援機関によって料金が違うけれど、何が違うの?」
特定技能外国人の受入れを検討している企業様から、よく聞かれる質問です。月額1万円台の登録支援機関もあれば、3万円、4万円以上のところもあります。
できれば費用は抑えたいところですが、登録支援機関を選ぶときに見ていただきたいのは、月額料金だけではありません。同じ「月額○万円」でも、どこまで対応してもらえるのか、追加料金が発生するのかによって、企業側の負担は大きく変わります。
この記事では、次の3点をできるだけ分かりやすく解説します。
- 登録支援機関の費用相場
- 支援費には何が含まれるのか
- 見積もりを比較するときのポイント
01. 登録支援機関の費用相場
登録支援機関への支援委託費は、特定技能外国人1人あたり月額2万〜3万円前後がひとつの目安です。
📊 公表データでの平均額
出入国在留管理庁が公表している調査では、1人あたりの月額支援委託料の平均は28,386円でした。また、全体の約90%が月額3万円以下となっています。
ただし、この調査は2022年9月末時点のものです。現在は登録支援機関も増え、料金体系もかなり幅があります。
そのため、「月額はいくらか」だけを見るのではなく、「その金額でどこまで対応してもらえるのか」を確認することが大切です。
02. 月額支援費には何が含まれる?
特定技能1号の外国人を受け入れる企業には、外国人が日本で安定して働き、生活できるよう支援する義務があります。主な支援は次の10項目です。
| 1 | 事前ガイダンス |
| 2 | 出入国する際の送迎 |
| 3 | 住居確保・生活に必要な契約の支援 |
| 4 | 生活オリエンテーション |
| 5 | 公的手続き等への同行 |
| 6 | 日本語学習の機会の提供 |
| 7 | 相談・苦情への対応 |
| 8 | 日本人との交流促進 |
| 9 | 会社都合で退職する場合の転職支援 |
| 10 | 定期的な面談・行政機関への通報 |
企業が自社で支援体制を整えることが難しい場合は、これらの支援を登録支援機関へ委託することができます。
⚠️ ここが分かりにくいところ
「10項目の支援を行う」ことと、「すべての費用が月額料金に含まれている」ことは同じではありません。登録支援機関によって料金体系は異なります。
例えば、次のような支援について、月額料金とは別に費用が設定されている場合があります。
- 事前ガイダンス
- 来日時の空港送迎
- 生活オリエンテーション
- 市役所への同行
- 住居探し
- 通訳
- 緊急時の訪問対応
そのため、月額料金だけを比べると、実際にかかる費用が分かりにくくなることがあります。
03. 「月額が安い=総額も安い」とは限らない
例えば、次の2社があったとします。
| 月額 | 同行・訪問・通訳の扱い | |
|---|---|---|
| A社 | 18,000円 | いずれも別料金 |
| B社 | 25,000円 | 一定範囲まで月額に含む |
金額だけを見るとA社の方が7,000円安く見えます。ところが、行政手続きへの同行や訪問対応、通訳がその都度発生すると、実際の年間費用ではそれほど差がないこともあります。
反対に、すでに日本で長く生活していて、日本語力も高い外国人であれば、必要以上に手厚いサービスを付ける必要がないケースもあります。
大切なのは、自社が必要としている支援と料金が合っているかということです。
04. 比較ポイント① 初年度にいくらかかるか
見積もりを取ったら、まず確認してほしいのが、1人を受け入れた場合の初年度総額です。月額料金だけでなく、次の項目を確認します。
- 初期費用
- 事前ガイダンス
- 生活オリエンテーション
- 空港送迎
- 住居確保
- 行政手続きへの同行
- 在留資格関連のサポート
- 更新時の費用
「月額○万円」だけではなく、入社から1年間で結局いくらになるのかを聞いてみると比較しやすくなります。
05. 比較ポイント② 相談できる体制があるか
外国人雇用では、入社時よりも入社後にさまざまな相談が発生します。
入社後によくある相談
「給与明細の見方が分からない」
「病院に行きたい」
「会社のルールが理解できない」
「日本人の上司とうまくコミュニケーションが取れない」
こうした小さな行き違いをそのままにしておくと、本人だけでなく、現場の日本人社員にも負担がかかります。そのため、次の点を確認しておくと安心です。
- 誰が相談を受けるのか
- 外国人が理解できる言語で相談できるか
- 電話・LINE・オンラインなどで相談できるか
- 企業側からも相談できるか
06. 比較ポイント③ 定期面談だけで終わらないか
特定技能1号では、外国人本人とその監督者などに対して、原則3か月に1回以上の定期面談を行います。もちろん面談を実施することは重要です。
しかし、外国人が職場に定着するためには、3か月に1度だけ話を聞けばよい、というものではありません。入社直後は特に、次のような問題が起きやすい時期です。
- 仕事の指示が理解できているか
- 職場で孤立していないか
- 生活面で困っていないか
定期面談以外でも、困ったときに相談できる体制があるかを確認してみてください。
07. 比較ポイント④ 企業側の負担をどこまで減らせるか
登録支援機関は、外国人だけを支援する存在ではありません。受入れ企業側が「何をすればいいのか分からない」という状態では、外国人雇用はなかなかうまくいきません。
例えば、次のような点について相談できる登録支援機関であれば、担当者の負担も軽くなります。
- 受入れ前に準備すること
- 社内で共有しておくこと
- 外国人への仕事の教え方
- 生活面の相談への対応
- 必要な届出や書類
特に初めて特定技能外国人を受け入れる企業では、「外国人への支援」だけでなく「企業へのサポート」があるかも確認しておきたいポイントです。
08. 比較ポイント⑤ 自社の業界を理解しているか
支援内容だけでなく、受入れ企業の業界を理解しているかも重要です。
🏗 建設業の場合
- 建設キャリアアップシステム(CCUS)
- JAC(建設技能人材機構)
- 建設特定技能受入計画
- 現場ごとの安全ルール
- 元請・下請関係
🏥 介護の場合
- シフト勤務
- 利用者とのコミュニケーション
- 介護現場で使われる日本語
- 夜勤への移行
外国人支援の知識だけでなく、実際に働く職場を理解しようとしてくれるかも選ぶ基準の一つです。
09. 登録支援機関を比較するときのチェックリスト
見積もりを取るときは、次の項目を確認してみてください。
☐ 月額支援費はいくらか
☐ 初期費用はいくらか
☐ 月額料金に含まれる支援は何か
☐ 別料金になる支援は何か
☐ 行政手続きへの同行は含まれるか
☐ 空港送迎は含まれるか
☐ 通訳費用は別途必要か
☐ 外国人本人が相談できる体制があるか
☐ 企業側も相談できるか
☐ 緊急時の対応方法はどうなっているか
☐ 定期面談は誰がどのように行うか
☐ 自社の業界について理解しているか
3社程度から見積もりを取る場合も、金額だけを並べるのではなく、この項目を横並びにすると比較しやすくなります。
📌 まとめ|料金と支援内容をセットで比較しましょう
登録支援機関の支援委託費は、1人あたり月額2万〜3万円前後がひとつの目安です。ただし、登録支援機関によって料金体系や対応範囲は異なります。
そのため、「一番安いところはどこか」ではなく、「自社に必要な支援を、どこまでお願いできるか」という視点で比較することをおすすめします。
特に初めて特定技能外国人を受け入れる場合は、外国人本人への支援だけでなく、受入れ企業側の相談にも対応してくれる登録支援機関を選ぶと安心です。
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「特定技能を受け入れたいけれど、何から始めればいいか分からない」
「今お願いしている登録支援機関の費用や内容が適正なのか知りたい」
といった段階でも構いません。
※本記事は2026年9月時点の制度・公表情報をもとに作成しています。制度や運用は変更される場合がありますので、最新情報は出入国在留管理庁等の公表情報をご確認ください。
【参考】
出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」
出入国在留管理庁「特定技能制度における登録支援機関への支援委託料の支払額」
✍ 著者:みらいリンク
建設業のバックオフィスに12年、外国人材の支援に8年携わってきました。千葉県で登録支援機関「みらいリンク」を運営しています。制度の話を、現場の目線でわかりやすくお伝えします。


