水産加工で特定技能外国人を受け入れるまでの流れ

特定技能

千葉県には、銚子や九十九里をはじめ、水産加工に関わる企業が多くあります。

一方で、こうした不安を感じる企業も少なくありません。

「外国人を雇いたいけれど、何から始めればいいのかわからない」

「うちの仕事は特定技能の対象になるの?」

「採用した後の手続きや支援まで自社でできるだろうか」

特定技能制度では、水産加工の仕事でも外国人材を受け入れることができます。ただし、どのような作業でも対象になるわけではありません。

この記事では、水産加工会社が特定技能外国人を受け入れるまでの流れを、初めての企業にもわかるように順番に説明します。

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2027年4月から「水産加工業」が独立します

2026年9月現在、水産加工は特定技能「飲食料品製造業」の中で扱われています。

時期 分野の扱い
〜2027年3月31日 経過措置として従前の取扱いが続く
2027年4月1日〜 「飲食料品製造業」と「水産加工業」に分かれる予定

そのため、これから水産加工分野で外国人を受け入れる企業は、現在の制度だけでなく、2027年4月からの変更も確認しながら準備することが大切です。


STEP 1. 自社の仕事が特定技能の対象になるか確認する

水産加工業で対象となるのは、魚介類や海藻などを原料として行う製造・加工と、安全衛生に関する業務です。

運用要領では、水産加工品の製造・加工について、次のような一連の生産行為が示されています。

  • 原料となる魚介藻類の処理
  • 加熱
  • 殺菌
  • 成形
  • 乾燥
  • 冷凍・冷蔵

⚠️ 対象にならない業務

一方、単なる選別や包装・梱包だけを行う仕事は、製造・加工には該当しません。

🐟 たとえば

⭕  「魚を加工し、切り身にして冷凍する」 → 対象になり得ます

❌  「出来上がった商品を箱に詰めるだけ」 → 対象にならない可能性があります

ここは、採用活動を始める前に確認しておきたいポイントです。


STEP 2. 受入れ事業所が対象になるか確認する

外国人本人だけでなく、働く事業所側にも条件があります。

飲食料品製造業分野では、原則として日本標準産業分類上の対象業種を行っている事業所である必要があります。

また、製造請負の場合でも対象となるケースがありますが、箱詰めや荷役だけを請け負っている事業所や、人材派遣による就労は対象外とされています。

「水産関係の会社だから大丈夫」と判断せず、実際に外国人が勤務する事業所と仕事内容で確認することが重要です。


STEP 3. 採用する人材を探す

受入れ可能であることが確認できたら、人材を探します。方法は大きく分けると2つです。

海外から採用する 入国を待ってからの受入れになります
国内在住者を採用する 技能実習を修了した人や、特定技能で働いていて転職を希望している人など

国内在住者であれば、海外からの入国を待つ必要がないため、採用までの時間や費用を抑えられる場合があります。


STEP 4. 外国人本人の資格・試験を確認する

特定技能1号では、原則として技能と日本語能力の基準を満たす必要があります。

📄 2027年4月以降の水産加工業で示されている基準

技能:水産加工業特定技能1号評価試験

日本語:JFT-BasicのA2.2相当以上、またはJLPT N4以上

一方、一定の技能実習2号を良好に修了した人については、技能試験・日本語試験が免除されるケースがあります。

現在は制度移行期でもあるため、採用候補者がどの試験・修了要件で特定技能に該当するかは、一人ずつ確認することが大切です。


STEP 5. 食品産業特定技能協議会へ加入する

水産加工を含む飲食料品製造業で特定技能外国人を受け入れる場合、受入れ企業は食品産業特定技能協議会の構成員になる必要があります。

⚠️ 見落としやすいポイント

現在の運用要領では、外国人の在留資格に関する申請を行う前に協議会へ加入することとされています。

さらに、1号特定技能外国人の支援を登録支援機関へ全部委託する場合には、委託先の登録支援機関も協議会の構成員である必要があります。

ここは、初めて受入れを行う企業が見落としやすい部分です。


STEP 6. 雇用条件を決め、本人へ説明する

採用候補者が決まったら、次の条件を決めます。

  • 給与
  • 勤務時間
  • 休日
  • 仕事内容
  • 勤務地
  • 住居

また、現在の運用要領では、特定技能外国人に対するキャリアアッププランのイメージをあらかじめ設定し、雇用契約を締結する前に書面等で説明することが求められています。

単に「人手不足だから採用する」のではなく、

「どのような仕事を覚えてもらうのか」

「将来どのような役割を担ってもらうのか」

まで考えて受け入れることが、今後ますます重要になります。


STEP 7. 1号特定技能外国人支援計画を作成する

特定技能1号の外国人を雇用する場合、仕事だけではなく、日本で安心して生活・就労できるよう支援する必要があります。

企業が自社で支援する方法と、登録支援機関へ委託する方法があります。

特に初めて外国人を受け入れる企業では、「何を、いつまでに行えばよいのかわからない」というケースも多いため、登録支援機関への委託を検討する方法もあります。


STEP 8. 在留資格の申請を行う

協議会加入、雇用条件、支援計画などの準備が整ったら、在留資格に関する手続きを進めます。

海外から採用する場合と、日本国内で転職する場合では、必要となる手続きが異なります。

⚠️ 国内転職者でも手続きは必要です

「すでに特定技能だから、そのまま何もしなくてよい」とは限りません。所属機関や勤務先が変わるため、必要な手続きを確認して進める必要があります。


STEP 9. 入社前の受入れ準備を行う

在留資格の手続きと並行して、実際に働くための準備も進めます。

水産加工の現場では、特に次の準備が重要です。

  • 衛生管理
  • 安全教育
  • 作業手順
  • 日本語での指示方法

特定技能の水産加工では、食品衛生やHACCPに沿った衛生管理について一定の知識を持つ人材であることが想定されています。

ただし、試験に合格しているからといって、企業独自のルールまで理解しているわけではありません。

写真やイラスト、やさしい日本語などを使い、現場のルールをわかりやすく伝えることも定着につながります。


STEP 10. 入社後は「採用して終わり」にしない

外国人材の採用では、入社がゴールではありません。

生活面での困りごと、職場でのコミュニケーション、日本語、仕事内容への不安などが、離職につながることがあります。

特に最初の数か月は、本人と企業の双方から状況を確認し、小さな問題のうちに対応することが大切です。

外国人に長く働いてもらうためには、採用・手続き・生活支援・職場定着を一つの流れとして考えることが重要です。


📌 まとめ|水産加工の特定技能受入れは、最初の確認が大切です

水産加工で特定技能外国人を受け入れる流れをまとめると、次のようになります。

①  対象業務の確認

②  受入れ事業所の確認

③  人材採用

④  資格・試験の確認

⑤  協議会加入

⑥  雇用契約・支援計画

⑦  在留資格手続き

⑧  受入れ準備

⑨  入社・定着支援

特に、次の3点を採用前に確認しておくことが大切です。

☐  自社の仕事が対象になるのか

☐  協議会加入はいつ必要なのか

☐  外国人本人の資格は問題ないか

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「まだ採用するか決まっていない」
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※本記事は2026年9月時点の制度・公表情報をもとに作成しています。制度や運用は変更される場合がありますので、最新情報は出入国在留管理庁・農林水産省等の公表情報をご確認ください。

✍ 著者:みらいリンク 山本

建設業のバックオフィスに12年、外国人材の支援に8年携わってきました。千葉県で登録支援機関「みらいリンク」を運営しています。制度の話を、現場の目線でわかりやすくお伝えします。

登録支援機関:みらいリンク/登録番号:26登-013598